デュアーディンのトロゴス退治

むかし むかし あるところに*1

 定命八界の片隅に、とあるデュアーディンの小国がありました。
 そこでは昔気質のデュアーディンたちが昔風に暮らしておりました。
 その様子はまるで「神話の時代」のよう、いえそれどころか「かつて在りし世界」で彼らがまだ「こびと / dwarf」と呼ばれていた頃のようでした。*2

 あるとき、平和なこの国を暴れん坊のトロゴスが荒らし回るようになりました。
 姿は妙にうすっぺらかったりするのですが、投げつける大岩と 振り回すこん棒の威力は変わりません。*3

 王様はお城の大砲を取り外してトロゴス退治に向かいましたが、あえなく討ち死にしてしまいます。*4
 王位継承の儀式も後回しに、跡取りの若い王子はかたき討ちに出発します。
 従うのは鉄槌を携えた親衛隊に、手銃を構えた銃士たち。混沌殺しの狂戦士。
 道案内のため山にくわしい鉱夫たちを先頭にたて、デュアーディンたちはトロゴスの出没する荒れ地にむけて進んでいくのでした。

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出陣!

 バトル1 「絞め草ヶ沼の宝」

初期配置*5

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マイナーは盤外配置

 

第1バトルラウンド

 デュアーディン先攻。中央の安全地帯に向けて前進するも、いきなりジェネラル(指揮官)のワーデンキングが沼に呑まれかける。大丈夫か若殿……*6

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 サンダラーがフェルウォーター・トロゴスに射撃を行うが、トロゴスの巨体は全身に銃弾を受けても止まらない。*7

 続くトロゴスのターン、フェルウォーター・トロゴスがワーデンキングに突撃。巨大なトゲつき棍棒で12回殴られた王子はなすすべなく倒れた。*8

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と、殿~~!!

 即座の反撃。復讐の怒りを込めたハンマーがトロゴスを魚臭いミンチに変える。*9

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グロムリル・ハンマーは命中判定の出目6で追加致命ダメージを叩き出す

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ロックガット・トロゴスはこのターン、愚鈍に立ち尽くすだけだった

 

第2バトルラウンド
 再びデュアーディン軍の先攻。ハンマラーとサンダラーが安全な中央の地形にたどり着く。残るロックガット・トロゴスに対し、サンダラーは一斉射撃。アンフォージドは突撃を敢行。

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作戦目標(宝箱)を確保

 しかし岩のように固い皮膚はサンダラーの射撃をすべて弾き、巨獣を易々と狩るアンフォージドの斧さえ通さない。いっぽうトロゴスの反撃もすべてはずれ。

 続くトロゴスのターン、特殊ルールの「猛攻 / Rampage」*10がアンフォージドを叩き伏せる。狂戦士は意地を見せて一矢報いるが、それも浅手に終わる。*11

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見た目のとおり、とにかく固い


第3バトルラウンド

 トロゴスが先攻を取るが、奴らは必死に弾を込めなおす銃兵をぼんやり眺めている。恐るべきことに、その間にもアンフォージドが打ち込んだ斧傷がみるみるふさがっていく!*12

 デュアーディン軍のターン、沼地の外で待機していた鉱夫たちが窮地の友軍を救援にあらわれる。彼らは必要とあらば歩く速度で掘り進むことが可能なのだ。*13

 サンダラーは銃撃を繰り返すが、固い肌にかすり傷を負わせるのみ。*14

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沼地でトンネルが掘れるかどうかは疑問だがルール上は可能

 

第4バトルラウンド 

  鉱夫たちは勇敢にも距離を詰めて荷車に積んだ発破を次々に投げつける。同時にサンダラーが一斉射撃。
 弾雨と爆炎につつまれ、さしもの怪物も無事には済むまい……と思われたのも束の間。
 薄れた硝煙を突き抜け、ほぼ無傷のトロゴスが突進してくる!*15

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「やったか……?」「……馬鹿な、無傷だと!」(ステレオタイプなシーンもゲームでは非常に盛り上がる。たとえソロプレイでもだ)

 トロゴスは愚鈍だが、彼らに敵と認識されれば、死を逃れるのは至難だ。

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マイナーが全滅。並の兵士では足どめすらできない

 

第5バトルラウンド 
 瀕死の鉱夫たちを見捨てるわけにはいかない。サンダラーは後退し、入れ替わりにハンマラーが前進する。*16

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「銃兵は下がれ! 親衛隊、前へ!!」

 背後からの援護射撃を受けながらハンマラーは突進。ふたたびグロムリルの戦鎚が乱れ飛び、トロゴスの岩肌を割り砕く。

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恐るべき鈍器の応酬によりトロゴスは全滅。ハンマラーも半数を失う。

 

 

第6バトルラウンド 
 敵は全滅しているので、ハンマラーが中央の沼地に戻ってゲーム終了。

 損害は大きかったが宝箱を確保し、収められた先祖伝来の宝をトロゴスから奪還。大勝利である。*17

 

戦い終わって

 バトルの後は、戦闘不能者の復活を判定する。ハンマラー1名、マイナー3名が戦死して埋葬された。意識を回復した若き王は、己の不甲斐なさに涙するのだった。*18

 戦闘後のランダムイベントは土砂崩れ。トロゴスを避けて進むため地下道を掘っていたマイナー3名が落盤で死亡。*19

 犠牲は大きかったが、デュアーディンたちはトロゴス王の住処を見下ろす峠に たどり着いた!

 

(以下次回)

*1:このエントリで使用している ウォーハンマーAoSの1人用ゲームについてはこちらを参照 https://w.atwiki.jp/aos_unofficial/pages/34.html 

*2:ドワーフミニチュアの造形が古いことの言い訳

*3:トロゴスのミニチュアがないので厚紙でつくったプロキシを使っていることの言い訳

*4:最初に試した編成ではどうにもならなかったので、再編成してリトライしている

*5:敵はフェルウォーター・トロゴス3体 & ロックガット・トロゴス3体。
第6ラウンド終了時に戦場中央の宝箱を確保していれば勝利。
盤上はすべて沼地であり、中央の青い沼以外は自軍にとって危険地帯となる。

*6:3ダメージ。なお5ダメージ受けると戦闘不能

*7:銃撃によるダメージは3点だったが、トロゴス1体を倒すには4ダメージ必要。ちなみに人間やデュアーディンの兵士は1ダメージで倒れる

*8:ゲーム上は、攻撃力の高いハンマラーを生き延びさせるためにワーデンキングに死んでもらったのである

*9:ミニチュアの武器が一部斧になっているが、データ上は全員ハンマラー扱いでプレイしている。いろいろ組んでみたかったので、こうなった。いつか、もう1箱買って帳尻を合わせる予定

*10:合計12回殴る

*11:アンフォージドは戦死する際に敵に一撃加えることができるのだが、通常は防御不能な最期の一撃さえ岩の皮膚で半分になってしまった(1d3を振って2点のうち1点は無効化)

*12:トロゴスはダイスを振ってランダム表を参照して行動を決めるので、最適行動をとるわけではない。また再生能力があるのでチマチマしたダメージは与えても大抵は無駄に終わる

*13:プレイヤーがロックガットの攻撃力に恐れをなして予備戦力を投入

*14:2ダメージ

*15:合計20人の射撃で与えたのは1ダメージのみ

*16:デュアーディン先攻。マイナーのおかげで打撃部隊であるハンマラーが突撃しやすい距離までトロゴスを引き寄せることができた。無駄死にではない

*17:これによって、アーティファクト(強力な武具や魔法の道具)が手に入る。何を手に入れたのかは後ほど

*18:このキャンペーンでは、バトル中に戦死扱いになった者も実際には瀕死もしくは重傷だった扱いである。次の戦いでは回復して再び戦える可能性があるが、1/6の確率で死亡する。一般兵もヒーローも死亡確率は同じだが、ジェネラルだけは常に回復する

*19:このイベントは被害を受けるユニットを選べる。非常に気まずいが、人数が減って戦闘力が低下したマイナーに損害を担当してもらった